1万2000年のロマン!神秘の古代文明から激動の現代まで辿るメキシコ歴史旅
太陽の国、メキシコ。実はこの地には、今から約1万2000年も前から人々が暮らしていたとされています。その歴史の始まりは、遥か昔にアラスカからアメリカ大陸へと渡ってきたアジア系の人々が、現在のメキシコに到達したことでした。
メキシコが位置する「メソアメリカ」と呼ばれる地域では、時代ごとに多種多様でユニークな文明が花開きました。今回は、知れば知るほど面白いメキシコの激動の歴史を、神秘の古代文明とともにご紹介します!
- 1. すべての起源「オルメカ文明」と、星を読む「マヤ文明」
- 2. 湖の上に築かれた奇跡の巨城「アステカ文明」
- 3. スペインの征服と300年に及ぶ植民地時代
- 4. 独立、領土の喪失、そして中南米を牽引する大国へ
1. すべての起源「オルメカ文明」と、星を読む「マヤ文明」
メソアメリカの地で最も古く栄えたのが、謎多き「オルメカ文明」です。ベラクルス州南部やタバスコ州を中心に遺跡が発見されており、何と言っても「巨大な人間の頭部をかたどった石像(巨石人頭像)」が強烈なインパクトを放ちます。これがのちの文明の基礎となりました。
そして、メキシコ南部からユカタン半島、さらにはグアテマラ、ベリーズ、ホンジュラスという広大なエリアにまで広がったのが、有名な「マヤ文明」です。彼らは農業を営む一方で、現代でも完全には解読されていない独特の「マヤ文字」を考案しました。
さらにマヤの人々は、時間の測定や天体観測に対して並外れた情熱を持っていました。星の動きを何百年も観察し続けることで、現代の暦にも匹敵する極めて精密なカレンダーを作り上げたのです。

また、数学の概念において「ゼロ(空位)」を導入したことも、マヤ族が残した偉大な功績の一つです。この高度な知識が、彼らの建築や天文学を支えていました。
2. 湖の上に築かれた奇跡の巨城「アステカ文明」
現在、私たちが大都市として知る「メキシコシティ」。実はその昔、ここは「テスココ湖」という広大な湖でした。その湖の真ん中に築かれたのが、アステカ族の壮大な首都「テノチティトラン」です。
もともと「アストラン」という土地に住んでいたアステカ人ですが、守護神から「新しい町を作りなさい」という神託を受け、安住の地を求めて旅に出ました。神が示したその場所の目印は、あまりにも具体的で風変わりなものでした。それは、『サボテンの上に立ち、蛇を喰らう鷲がいる場所』。
旅を続けて何年も経った頃、彼らはついにその不気味で神聖なシーンを目撃します。しかし、そこはテスココ湖の真ん中にぽつんと浮かぶ、小さな島でした。「ここに街を作るのは無理だ」と諦めることなく、神の指示に従った彼らは、島を中心に周辺の湖を少しずつ埋め立て、やがて水上の大帝国テノチティトランを完成させたのです。(※この「サボテンに立つ鷲」の姿は、現在のメキシコ国旗のデザインにもなっています)

3. スペインの征服と300年に及ぶ植民地時代
テノチティトランを中心に、凄まじい繁栄を誇ったアステカ文明。しかし、その黄金期は突如として終焉を迎えます。1519年、スペイン人の征服者エルナン・コルテスが率いる軍隊が現れたのです。ここから2年間にわたる激しい戦争が始まりました。
先住民たちにとって未知の武器、そしてスペイン人が持ち込んだ天然痘などの病気によって、アステカの民は次々と倒れ、ついに1521年に征服されてしまいました。
この年から、メキシコはスペインの植民地(新スペイン)となり、街の姿も人々の暮らしも激変します。先住民とヨーロッパ人の混血が進み、言語はスペイン語へ、宗教はカトリックへと塗り替えられていきました。この支配の歴史は、約300年もの長きにわたって続くことになります。
4. 独立、領土の喪失、そして中南米を牽引する大国へ
植民地政府の不平等な支配に怒りを募らせたメキシコの人々は、ついに立ち上がります。1810年から1821年まで続いた悲願の「独立革命」の末、メキシコは見事にスペインからの独立を果たしました!
独立当時のメキシコは、現在のアメリカ南部(テキサスやカリフォルニアなど)から中央アメリカまでを含む、途方もなく広大な領土を持つ超大国でした。しかし、誕生したばかりの若い国は国内の混乱が絶えず、その隙を突いてフランスやアメリカといった強国に侵略される苦難の時代を迎えます。フランスには巨額の賠償金を課され、アメリカとの戦争(米墨戦争)では、なんと元々の領土の半分以上を失うことになってしまいました。
数々の試練を乗り越え、完全な主権を取り戻したメキシコは、20世紀に入ると近代化を推し進め、経済・文化の両面で目覚ましい発展を遂げます。1968年には世界にその躍進を示す「メキシコオリンピック」が開催されるまでに成長しました。
多くの古代文明が交差し、植民地時代の苦難を乗り越えてきたメキシコ。現在では、名実ともに中南米を力強く牽引するリーダー国家として、さらなる未来へと歩みを進めています。


